設立の経緯


 沖縄・生物多様性市民ネットワーク(以下沖縄BD市民ネット)は、沖縄の環境問題の解決のため、世界的な環境保全への動きと連動してきた市民の取り組みのなかから生まれました。


 沖縄の市民やNPO/NGOは、2008年10月にスペイン・バルセロナで開かれた世界自然保護連合(IUCN)会議や、同年11月に韓国・スンチョンで開 かれた「ラムサール条約」のNGO会議に参加し、沖縄の環境問題を世界に訴えるとともに、知識と実践の情報を交換するための市民レベルのネットワークを築 きました。そのような取り組みが、2010年に愛知県名古屋で開催される「生物多様性条約」の第10回締約国会議(COP10)および「2010年国連国 際生物多様性年」に、沖縄からも積極的に関わっていこうという声に繋がっていったのです。

 沖縄BD市民ネットの設立準備には、「生物多様 性の保全」や「生物多様性条約」の目的と取り組みに関心をもつ市民やNPO/NGOが参加しました。設立準備の会議では、沖縄の環境問題が「米軍基地」の 存在や「乱開発」と密接に関係していることが共通認識として確認されました。また沖縄の独自の伝統文化や歴史的社会的経験を、環境の問題と結びつけて考え ることの重要性が強調されました。そのような過程を経て、「環境」「平和」「人権」の3つの柱のもと、多様な市民が参加し、生物多様性の保全に向けて沖縄 らしい取り組みを展開する、という沖縄BD市民ネットの方向性が決まりました。

 多くの人々の助言を得ながら、これまで8回の設立準備会議を経て、今日の沖縄・生物多様性市民ネットワークの結成大会の日を迎えることになりました。

経緯

2008. 10 

スペイン・バルセロナの国際自然保護連合(IUCN)世界自然保護会議で「2010年国連国際生物多様性年におけるジュゴン保護の促進」決議採択


2008. 10〜11

韓国・スンチョンにおける「ラムサール条約」NGO会議で「スンチョン宣言」採択


2008 11

沖縄各地でバルセロナのIUCN決議の報告会がもたれ、「2010年国連国際生物多様性年」への関心が高まる

2009 11.23

沖縄市で「ラムサール条約」NGO会議の報告会(泡瀬干潟を守る連絡会)がもたれ、国際的ネットワークへの関心が高まる

2009 3.15

生物多様性セミナー「沖縄の生物多様性を守る」が開催される(主催:WWFジャパン、日本自然保護協会、泡瀬干潟を守る連絡会)
「生物多様性条約」および生物多様性条約締約国会議について、学習し、沖縄のNGOは何をすべきなのか意見交換を行い、ネットワーク作りの気運が高まる

2009 4.13

第1回設立準備会議(うるま市宜野座映子氏宅)
有志によるCOP10にむけた沖縄での「ネットワーク」設立の提案

2009 5.8

第2回会議(ぎのわんセミナーハウス) 
「生物多様性条約(CBD)」「COP10」へむけての勉強会、組織作り開始

2009 5.22

第3回会議(ぎのわんセミナーハウス)
事務局役員選定、趣意書案の議論

2009 6.4

第4回会議(ぎのわんセミナーハウス) 
「沖縄・生物多様性市民ネットワーク」名称決定、「結成大会」準備、COP10への沖縄の取り組みの議論

2009 6.19

第5回会議(沖縄市かりゆし園) 
COP10への具体的取り組み(ロードマップ)の議論、「結成大会」準備

2009 7.1

第6回会議 (沖縄市かりゆし園) 
趣意書案、規約案の検討、役員選定の検討、「結成大会」準備

2009 7.8

第7回会議(沖縄市農民研修センター) 
趣意書確定、規約案の検討、共同代表、会計役員選定、「結成大会」準備

2009 7.15

第8回会議(沖縄市かりゆし園)

規約確定、「結成大会」準備

2009 7.25

結成大会(農民研修センター)