COP10 名古屋 報告会

沖縄・生物多様性市民ネットワークの報告会が以下のとおり行われました。


  日時 2010年12月18日(土)午後2:00-4:30 
  場所 沖縄大学3号館 101教室
  主催 沖縄・生物多様性市民ネットワーク/CBD市民ネット沖縄地域作業部会
  共催 沖縄大学地域研究所
  協力 沖縄オルタナティブメディア

プログラム

司会(沖縄BD 宮平光一)

1. 開会挨拶(沖縄BD共同代表 伊波義安)

2. 沖縄オルタナティブメディアから(OAM 西脇尚人)

3. COP10では何が決まったのか(WWFジャパン 花輪伸一)

4. OTVによるCOP10での沖縄BD活動紹介(OTV 川平菜菜子)

5. ブース・ポスター担当者からの報告(沖縄BD 有光智彦/牧志治)

6. フォーラム・シンポジウムの報告(沖大地域研究所 後藤哲志)

〜休憩〜

7. 舞台「フクギの雫」と名古屋サポーター会議(ハーフセンチュリー宮森 宜野座映子)

8. 会場、会議場でのアピールについて(沖縄BD 吉川秀樹) 

9. ユース部門からの報告(沖縄キリスト教学院大学 NGO ONE LOVE

            松下夏奈、比嘉ゆかり,新城愛,松本奈々)

10. 総 括(沖縄BD 河村雅美)

11. Q& A  

12. 閉会挨拶(沖縄BD共同代表 高里鈴代) 




当日の配布資料より


COP10名古屋 報告会」によせて

本日は沖縄・生物多様性市民ネットワークの「COP10名古屋 報告会」にご参加してくださり、誠にありがとうございます。

  去った10月、愛知県名古屋市で開催された第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)は、未来の地球環境を決定すると言われた重要な会議でした。COP10には、179の締約国(締約国の総数は193カ国)、関連国際機関、NGOから13千人が参加しました。

  私たち沖縄・生物多様性市民ネットワーク(沖縄BD)も、沖縄大学地域研究所と宮森ハーフセンチュリーと共に、県内外の多くの皆さんからの援助と応援を頂き、沖縄から約70名の仲間をCOP10に送り出すことが出来ました。

  名古屋では、名古屋・沖縄BDサポーター会議の支援のもと、シンポジウム・フォーラム、ブース・ポスター展示、演劇「フクギの雫」の上演などを精力的に行い、沖縄の生物多様性の豊かさと、その危機的状況を国際社会に訴えました。また国内外のNGOや市民社会のメンバーとの連携をはかり、「沖縄/Okinawa」という言葉を共同声明や宣言にしっかりと盛り込ませることができました。さらに沖縄から参加した多くのメンバーが、国際会議場の中に足を運び、国際社会がどのように環境問題に取り組んでいるのかを直に見るという経験をしました。

 「環境」「平和」「人権」をテーマにした私たちの活動は、COP10において多くの人々から高い評価を受けたと思います。「なぜ沖縄がこの3つのテーマを訴えているのかがわかった」「環境も平和も人権も繋がっているんだね」という声を、私たちの活動に触れた人々から聞くことができました。私たち一人ひとりにとって、全てが貴重な経験となりました。

  今回の報告会では、COP10で何が決まったのか、そしてCOP10に向けた私たちの1年以上の取り組み、COP10本番での活動と成果と、そこから見えてきた課題について画像・映像を交えながら報告します。

  市民が国際会議へ参加することはどういうことなのか、そこから学んだことは何か、そしてそれをどのように沖縄の未来に活かしていけばいいのか。私たちを応援して下さった多くの皆さんと共に、議論していく機会になればと思います。

 

沖縄・生物多様性市民ネットワーク 事務局一同






ロビーには名古屋のブースも一部再現されました。



沖縄オルタナティブメディア(OAM)で動画配信されました。↓












報告会は各担当者が活動を報告する形で行われました。

 現地取材をしてくださったOTVからの画像提供↓や客観的レポもありました。


COP10期間中の活動リストは以下のとおりです。

COP10 沖縄BD/沖縄地域作業部会COP10活動リスト

 

 [会場内]

○ブース出展

「生物多様性:小さな島々沖縄の大きな宝」

○ポスターセッション

-「生物多様性:小さな島々沖縄の大きな宝」

-「沖縄の生物多様性を脅かすもの――いまならまだ止められる!」

○フォーラム

[沖縄地域作業部会主催]

  -「沖縄の生物多様性の危機:COP10議長国で何がおきているか」(共催沖縄大学)

10/24(日)15:30-17:30 名古屋学院大学体育館

  桜井国俊(沖縄大学)高里鈴代(沖縄BD

[沖縄地域作業部会メンバー発表など]

-「沖縄ジュゴンの保護と国際責任」主催:ジュゴン保護キャンペーンセンター 

   10/23()13:00-15:00 名古屋学院大学体育館

   1. ジュゴン保護覚書きの署名国会議報告  吉川秀樹(SDCC/沖縄BD

   2. ジュゴン訴訟とCBDアセスガイドライン Akwe Kon 河村雅美(沖縄BD

 -「琉球列島の生物多様性に対する脅威」主催:WWFジャパン

10/23()15:30-17:30名古屋学院大学体育館

1.琉球列島の生物多様性に対する脅威 花輪伸一(WWFジャパン)

2.泡瀬干潟の豊かな生物と埋立問題 桑江直哉(沖縄市議会議員/泡瀬干潟を守る連絡会)

3.守りたい、大浦湾の自然と暮らし 浦島悦子(ヘリ基地いらない二見以北十区の会)

4.高江の米軍ヘリパッドによる地域破壊 比嘉真人(高江ヘリパッドいらない住民の会)

5.奄美大島の生物多様性保全と課題 常田圭一(奄美自然環境研究会)

 -「ホットスポッターズ・ミーティング」トークセッション。

    1021日 KEN

CBD市民ネットグローバル対話フォーラム

-「ホットスポッターズ・ミーティング」

  1023日(土) 名古屋学院大学体育館

   KEN子、比嘉真人が沖縄からの声を発表。

 -「生物多様性と平和」

10/26(火)10:00-12:00 名古屋学院大学体育館

高里鈴代(沖縄BD)、羽後静子(ジェンダーマイノリティ部会)、武者小路公秀(生命流域)


[会場外サイドイベント]

・生物多様性シンポジウム&沖縄の歌と踊り

 「沖縄の生物多様性を守るため、未来につなげるため」

 ―沖縄の環境・平和・人権の現状と課題-

10/22(金) 天白文化小劇場

1.沖縄の基地問題  真喜志好一(沖縄BD

2. 生物の宝庫・ヤンバルの森と高江ヘリパット問題 伊波義安(沖縄BD

3. 世界の宝 泡瀬干潟をラムサール条約の登録湿地へ 小橋川共男(沖縄BD

・舞台「フクギの雫−宮森小学校米軍ジェット機墜落事件から51年」

10/23(土) 天白文化小劇場

宮森ハーフセンチュリー

南山大学瀬戸キャンパス目崎茂和教授授業「環境文明論」「環境政策論」での講演

10/19(火) 水野隆夫(泡瀬大好きクラブ)

泡瀬干潟とやんばる、辺野古(大浦湾)、普天間などの問題について

 

 [アピール行動]

・沖縄の生物多様性のホットスポットとその危機を伝える24頁の日英で記述したカラーパンフレット「小さな島々、沖縄の大きな宝」を出版しブースと会場で配布。

・ポジションペーパー(日英)の作成、会場での配布

沖縄宣言(日英)の作成、サイドイベントでの配布

“Okinawa’s Biodiversity in Crisis: What is Really Happening in COP 10 Host Country?”の配布

CBD-COP10 開催国日本の開発行為に対するNGO 共同宣言」を沖縄から全国に呼び掛け、JUCON(Japan US Citizens for OKINAWA Network) が取りまとめた。1025日、午前11時から、「開催国・日本の環境政策を問い直そう!緊急集会」を白鳥公園の広場で行い、沖縄の辺野古、高江、泡瀬を含め、上関原発反対運動などの発表。

IIFBへの働きかけ

  ミーティングへの参加、IIFBでの記者会見,閉会声明で沖縄について言及「辺野古にアメリカの軍の基地を移すことには、懸念を表明します。との発言)

NGOミーティングでのアピール

10/25 (月)

ECO記事掲載

   Volume 35, Issue 9 Friday, 29 Oct 2010 www.cbdalliance.org



当日資料:

3.  COP10では何が決まったのか (WWFジャパン 花輪伸一)
    ⇨決議一覧は添付資料
            

               ⇨ppt ファイル


         

5. ブース・ポスター担当者からの報告(沖縄BD 有光智彦/牧志治)

沖縄BDブースのアンケート資料

(沖縄BD  牧志治 編集/作成)*団体名 沖縄・生物多様性市民ネットワーク

*出展期間 10/1810/29

*出展会場 白鳥会場

*出展中、ブースへの訪問者数:1500人

*出展中、ブースへの訪問者数:日本人以外の数:60人

*出展中、ブースへの訪問者数:子ども達の数:100人

 

記述(1)ブース出展による成果等

*沖縄の生物多様性の豊かさを、13団体と個人のパネルの写真や文書資料(パンフ・ブックレットその他)などを使用して、ブース担当者の説明を主体に解りやすく知らせることが出来た。

*その豊かな沖縄の生物多様性のホットスポットが、軍事基地建設、国や県の公共工事によって、危機的な状況にあることを理解してもらえた。

*人権・平和・環境の問題が、生命のつながりの中で考えていくべき課題であることを主張した。在日米軍基地の過重な負担を背負わされている沖縄では、米軍基地から派生するさまざまな人権問題や平和運動も環境問題とリンクして解決を求めて行く必要性を、ブースを中心にサイドイベントと連携して表現することが出来た。

*他のブースとの交流により、個人レベルでの視野を広げることができた。また、展示の方法など、いろいろな点を学習することが出来た。

 記述(2)訪問者との交流で印象に残ったこと

*沖縄の現状を理解してくれた訪問者は、日本の国内における沖縄の差別的な状況に、一様に驚き怒りを隠さなかった。

*ブース担当説明者の話を聞いた訪問者は、沖縄の抱える問題は、全国民が共有すべき事柄であると大方の人が理解してくれた。

*英語が十分に話せなかったが、先端を行く自然保護活動を外国人と出会い知った。励ましと勇気をもらった。

*人権・平和・環境の問題が、どこで繋がってどうして関係するのか、興味深く質問して聞いてくれた。

*国によって新たな米軍基地建設予定地となっている辺野古・大浦湾周辺に、絶滅危惧種のジュゴンが棲息していることや、広大な餌場あることにビックリする人が多かった。

*泡瀬干潟の埋め立て問題が、未だ解決していないことに驚く人が多かった。同様に、奥間川のダム建設問題が、完全に終わっていないことにも驚いていた。

 記述(3)出展中の主な活動内容(例:ワークショップ)

*日本で最も貝の種類が多い(360種以上)泡瀬干潟のミニモデルを作り、120種の実際の貝殻を展示した。

*辺野古・大浦湾、ヤンバル高江など、問題を抱えた沖縄各地のDVDを上映した。

*学生の参加団体が、紙芝居を上演した。

*沖縄の生物多様性のホットスポットとその危機を状況を伝える24頁の日英で記述したカラーパンフレット「小さな島々、沖縄の大きな宝」を出版しブースと会場で配った。

*「CBD-COP10 開催国日本の開発行為に対するNGO 共同宣言」をBD沖縄から全国に呼び掛け、JUCON(Japan US Citizens for OKINAWA Network) まとめた。

*共同宣言には、賛同者 国内69団体、海外7団体、個人2名。事例報告として 沖縄からの6事例を含め、20事例が集まり、JUCONの構成団体が119日に、環境省自然環境局計画課長にNGO共同宣言を手渡した。

1025日「開催国・日本の環境政策を問い直そう!緊急集会」を白鳥公園の広場で行い、沖縄の辺野古、高江、泡瀬を含め、上関原発反対運動などの発表などNGOの交流の場が持てたのは成果である。

 

  琉球新報20101019

 

 
































6. フォーラム・シンポジウムの報告(沖大地域研究所 後藤哲志)
         ⇨ppt ファイル







7. 舞台「フクギの雫」と名古屋サポーター会議(ハーフセンチュリー宮森 宜野座映子)
 





8. 会場、会議場でのアピールについて(沖縄BD吉川秀樹)

   ※pptファイル








NGOにより構成されたCBD AllianceCOP10ニュース

レターECOで取り上げられた沖縄の問題(原文は英語)











9. ユース部門からの報告
(沖縄キリスト教学院大学NGO                       ONELOVE 松下夏奈、比嘉ゆかり、新城愛、松本奈々)


            ※pptファイル


10. 総括(沖縄BD 河村雅美)
            ※pptファイル




COP10を終えて

(沖縄BD 事務局次長 河村雅美)

 

○沖縄のCOP10の取り組み                            

1)沖縄県内、県外を越えてのネットワーク

(→石垣、西表、奄美、名古屋、本土NGO、大学)

2)国際会議への多くの市民の1年以上に渡る関わり

cf. IUCN、ジュゴン訴訟、単発の国際会議参加)

3)政府、本土NGOなどと同時期に同目標での取り組み   

 

COP10で何ができたのか?      

-各プロジェクトからの報告のとおり

 できたことは1年間の積み重ねがあったこと。フィードバックを反映させたこと。

  写真展→ブース、シンポ→シンポ、フォーラム、フクギの雫の県内上演など

 

COP10で何ができなかったのか?

-会期中の戦略的な展開 (cf. 上関の動き)

  経験、情報、国内ネットワーク連携の不足

IIFBの動きも国内ネットワーク後押しがあってのこと。

-国際的な場での発信物 

  言語の問題  

できなかったことは、積み重ねがなかったこと。

 

COP10という機会

 地域で、日本国内で、国際社会で何ができるか。

 沖縄の市民活動はどのような課題があるのか

 どのようなスキルが必要となってくるのかの洗い出し

 地  域: 地域戦略のためのネットワーク

 国  内: 国内ネットワークをどのように築くか、

  国際社会: 「沖縄」を発信するための戦略



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Ċ
mel,
2011/01/23 23:59
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